-入院中の日記

「よく覚えていますね。」と連絡を頂くことがあります。

以前、こぼれ話で日記を捨てたことを載せましたが、入院中の日記だけは記録として保管してあります。


その日記帳を読み返しながら描いているので、これがなければ「今の私が回想した当時の私」を描くしかなく、内容も曖昧になっていたと思います。

数話先になりますが、寝たきりになります。

ひろ先生が休日なのに白衣を羽織りながら急いで病棟に駆けつけてきてくれた私服に、「ひろ先生、私服のセンスいいなぁOlive(雑誌)女子にモテそう」とそんな状態なら他に書き残したい事あるでしょと思うのですが残す意味など考えずに、ただ感情で一文走り書きしている事にリアルさを感じています。

私が身体を張った効果もなくひろ先生は研修後、血液内科ではない科を選び、現在はある病院の副院長です。

第12話 害なき反抗

回診いやだなぁ
害なき反抗
回診爆誕
食欲の秋
まさかね
ふりかえってみて

温厚な教授でお爺ちゃんと話している感覚でしたが、今、考えると70過ぎているはずはなく、もしかしたら今の自分と変わらない年齢だったのかも、、

薬の影響とは知らずに顔が丸くなったのは食欲が出て元気になった証拠と楽観的でいた時、髪の毛のことが気になりだす。

抗がん剤は受けてから2週間から3週間後に脱毛の症状が出始めます。

第11話 履きたい気分

履きたい気分
折鶴
二千羽鶴
お見舞いのパターン
履きたい気分
ふりかえってみて

面会時間は15時から19時頃だったような。

週の大半は友人がお見舞いに来る状態。

友人が私にとって友人でない友人と一緒に来ると見舞いというより興味本意で来ているだけと思ってしまったり、どうせ帰りは駅でパフェでも食べて帰るんだろうなと少しモヤモヤ、、

その点、男子1人のパターンは見舞い目的以外ないのでとてもアッサリと分かりやすい。

父がなぜ面会時間外が許されていたのかは後で知った事。

「後、3ケ月で死ぬかもしれない娘に面会時間しか会えないなんておかしいだろう!」と医師か看護師か病院関係者か分かりませんが、そう怒鳴り散らし時間外面会が許されたそうです。
今でいうクレーマーですね。

第10話 お隣さんは重症?

お隣さんは重症?
動いた!!
隣のアキさん
寝言イロイロ
隠蔽
ふりかえってみて

隣のベッドにいたアキさんは祖母と同世代。

夜中の寝言の殆どは保育士を叱責。自分が怒られたと思って驚いて目を覚ますくらい大きな声!そして園児に対しての読み聞かせは寝言と思えないくらい完璧。

「私の葬儀は1000人は来るからわざわざ来なくていいからね。そのかわり落ち着いた頃、そのぬいぐるみ頂戴。園児が喜びそう。」と、いつも子どものことを考えているアキさん。

私の枕元は半月の入院でクマっぽいぬいぐるみが既に3つ。

寂しさを紛らわすためにと思ってくださったのかもしれないけれど、検査、入浴できないためベッド上での身体拭き、見舞い、体調の変化などで案外忙しくて、くれた人に悪いから置いてあるというのが本音。

20歳過ぎた頃、袋いっぱいに増えたぬいぐるみを持ってアキさんとの約束はちゃんと果たしました。

第9話 教授回診

回診
教授回診
しぶしぶ
熱い視線
キョトウ
ふりかえってみて

週に1度、午後の回診。

終わるまで自由に立ち歩くことはできず、その制限に不満あり。

「何科の医師になろうかな〜」という大勢の研修医に囲まれ「見せ物じゃないし!」という気持ちと、いつも身近な担当医(研修医)のひろ先生がよそよそしい。主治医のまさ先生が教授に説明している内容が自分の身体のことなのに全く理解できず、それも不満。

後でまさ先生に「教授に日本語で説明して」とお願いしたら「ドイツ語じゃないと説明できないの。」と。
ドイツ語というのは嘘か本当かは不明。

回診後、病室の方々から、教授回診は「白い巨塔」のいち部分と教えてもらいました。

第8話 ピンクの下さい

ピンクの下さい
食べられない
無理でした
病院で迷う
ふりかえってみて

抗がん剤の影響で吐き気が強く出て、食べられなくなりました。

同室のすみさんは私が入院する1ヶ月前に入院し同じような経験をされたので点滴を見て「あの子もがんなんだ」そう思ったと数年後に聞きました。

そしてこの先こんな残酷なことが起こるのかと心の中で心配してくれていました。

すみさんはリンパ節の腫れで入院していたので悪性リンパ腫だったようです。いつも朗らかなすみさんは、その後長い闘病生活を送ることになり、良くならないのは医師のせい?病院のせい?と考えることしかできず、悔しさと憤りを今でも鮮明に感じます。

第7話 我16にして悟る

補佐さん
偶然が重なると
我16にして悟る
ワイン色
薬
ふりかえってみて

何気ない会話から、さださんが親しい友人の叔母さんと知った時、嬉しさより、このような出会いがある事の怖さと衝撃を覚えました。

そして実体験として早く知る事ができて良かったとも。

10年以上前の事、中学校から講師依頼があり担当の先生から題は何にしますかと聞かれたので、生きる上で指針となった人との巡り合わせの話を絡めて「グルグルの法則」でとお伝えした所、「命の大切さについてですね。」と速攻却下となった思い出とセットで。

第6話 吸血鬼

トイレにて
便座に向かって
あれれ
まわる〜まわるよ
吸血鬼
お姫様
ふりかえってみて

和式トイレで自力で立てなくなったのは入院3日目。

1970〜1980代のホラーオカルトブームにすっかりハマり中2の頃から月刊ムーを購読。

輸血で身体が楽になる=吸血鬼!一昨日の輸血が原因だ!というオカルト的な妄想が一気膨らみ、アニメ界では吸血鬼はみんな美人だし〜少し怖いけれどすっかり吸血鬼。

今後のため、ひろ先生に「自分から輸血って頼めますか?」に聞くと「それはダメだと思うよ。」この1言で妄想から現実に戻りました。 

第5話 816号室

816号室
ガヤガヤ
入院期間
病練
ふりかえってみて

ドラマのように窓の外を眺めながら「病気のワタシ、、」とシットリと過ごせるかと思ったらそうでもなく、友人がお見舞いに来て賑やかになり、親も食べたい物など色々聞いてくるし、入院2日目の日曜日は忙しい。

-血液型診断

入院初日、血液が作れなくなる病気と知ったことより、血液型が違っていたことが大ショック!

兄から「お前だけ血液型を調べないのは橋の下で拾われたからだ」と言われ続け、泣きながら母に聞くと「A型じゃないかな」と母と同じ血液型で安心していた幼少期。

それが輸血パックにAB!

現在は血液型に全く興味はありませんが、性格の7割は血液型で判断されるような年頃。

「B型は自分勝手だし、やっぱりA型同士だと気が合うね〜!」と和気あいあいの数年間はなんだったのか。

そしてこの先「AB型 =変わり者、二重人格」と揶揄され生きてゆくのかと、、、

(注)現在は血液型に関して何型など全く興味ないです。