第20話 りんごの神様

人生相談
願望達成系占い
りんごの神様
同じ帽子
出会いは風の中
ふりかえってみて

マルク(骨髄穿刺)はだいたい午前中行われます。

その後、昼までベッドで安静にしている時間、ラジオで人生相談を聞くのが習慣に。

予定では余命3ケ月なので来月がタイムリミット。

他人の相談なんて聞いている場合でないけれど、そんな状況と知らないので、ドロドロした大人の相談内容を聞きながら

「大人って大変!こどもで良かった~」
「ヤダーこれじゃあなんてお隣さんと変わらないじゃん!」

と人生相談に耳を傾けるのです。

中2の時、実際やって願いが叶った(かも)りんごの神様にお願いは髪の毛が早く生えて欲しいと恥ずかしさに耐えながら書き、新しい薬の副作用で吐き気がありながらも丸かじりしました。

今、気付きました。

「病気が治りますように」と書いた方が良かったかも。

そんな自分を強いと思っていた時、久しぶりに「ザ・ベストテン」を見て入院前の日常から入院生活の時間の経過を感じ少し寂しい気持ちが。

そして「木枯らしに抱かれて」を聞き「誰かに片想い中じゃなくてよかった」と思うのでした。

第19話 強い証

熱の原因
強い証
ガタガタ
たかが飴だけど
それは秘密です
ふりかえってみて

看護師さんが「ナースステーションで面会断ろうか?」と言ってくれても大丈夫だからと断らない。

「断ったら負け、弱音を吐かない事が強い証!」と本当の強さというのもを勘違いしている時期でした。

デパートで販売しているお菓子がお見舞いで増えていくばかり。

食べたくないから看護師さんやひろ先生にあげようとしても受け取ってもらえない中、実習生のくにちゃんがいけないことと分かりながら私の気持ちを汲んでくれたことがとても嬉しかった。

くにちゃんは現在も看護師さんでこの連載を読んでくれていると思います。

そしてお隣さんは教授回診と人の不幸ネタのテレビ番組が大好き!入院生活を満喫していました。という自分も、、、

第18話 悲しみよさようなら

カツラキター
研修医たち
悲しみよさようなら
来ちゃった
私
ふりかえってみて

面会時間前、ガムテープを手に巻いて抜けた髪の毛を掃除して見えないようにゴミ箱に奥に捨てる。

その時間はむなしく髪は引っ張れば痛みもなくズルッと抜けるのでこれ以上の脱毛が怖くてブラシでとかせない。

そして母が買ってきたアイドルっぽい髪型のウィッグ。

母はどんな思いで買いに行ったのだろうなんて思いやる気持ちは持てず、頼みもしないのに買ってきた「こんなのいらない!」と苛立ちを母にぶつける。

そんな状況から抜け出すために、翌日院内の床屋さんを病室に呼んでもらい丸坊主にしました。

その後、中学からの友人3人が面会に来てしまいます。

〜だいぶ前に3人の友人の1人から聞いた話

あの時、アイスを冷蔵庫に入れてくるって、しえ(友人の名前)が病室出て行った時、どうしていいか分からなくて私も一緒に出て行きたかったよ。

そして帰りに「私なら耐えられない、死ぬよ。」ってしえが言っていたと。

今でも付き合いのあるしえに、その時を事を聞くと、坊主頭になりたての私はニコニコしながら両手をを振っていて三蔵法師役の夏目雅子さんの次くらいに似合うと思った。とコメントをくれました。

第17話 嬉しいコトと

嬉しいコトと
ぐぐぐ
痙攣
魔の3日間
4日目の夜
まだ寝たきり中
ふりかえってみて

思い出せない空白の3日間。

覚えている事は横向きでストローで何かを飲んだ事と世紀の大発見「そうだ!痛みがなくなるまで意識がなけれはいいんだ。」

寝ている間に病気が治っている!何でこんな素晴らし事を誰も考えなかったのか。

「麻酔で眠らせて下さい」とひろ先生にお願い、当たり前ですが「それは出来ないよ。」と。

推理小説ではクロロホルムを湿らせたハンカチを口に当てて、簡単に眠らせることが出来るので「そうだね!ちょっと試してみようか」くらいで麻酔が使えるのかと勘違い。

麻酔科医という存在も知りませんでした。

寝たきりのままでの排泄は抵抗がありながらも、どうしようもない事態なので自然に任せてる事に。

背中を向けてさよならしたアキさんとは文通友達となりました。