第37話 最後の晩餐

しなくていいです
あのね
理由なんてこんなこと
最後の晩餐
無職
ふりかえってみて

無菌室で90日過ごす、そんな根性ないし退学しなくて済む治療ならいいかなと少しばかり望みを持っているためそれも難しいと分かる。

そして兄がドナー!
幼少のころから兄が嫌い。その兄の骨髄液を移植って体内に入るの?!ムリムリ!もう無理の境地であった。

病院では昨年から骨髄移植が始まりまだ数人しか例がなく、その移植でしか助からないという状態なのに深刻さに気が付かず「受けなくていいです!」とキッパリ言い切ってしまった。

その時、「3ヶ月に1度入退院を繰り返していたら髪が生えてきてもまた抜けちゃう、その繰り返しだよ。骨髄移植で治ったらもう髪抜けることないんだよ。」のたった1言で「受けます!」とコロッと心変わり。主治医のまる先生は告知をして共に移植に挑みたいと両親に話したけれど両親はそれを拒否。親心なのでしょう。

たとえ「血液がん」と知らなくても「血液が作れなくなる病気」と聞けば身体中を巡る血液が作れないって危険かもと、、と思う事なくゴールデンウィークを過ごし、すみさん、ひとくん、しいちゃん達に手紙を書きます。看護学生さんだったくにちゃんは無事国家資格に合格し看護師として働き始めます。この頃は新聞に合格者の名前が掲載されていました。