第28話 占っても占っても

すがっても
ふと
器材室にて
占っても占っても
遠くへ
ふりかえってみて

来年開業のため大学病院を退職すると聞き、当時はまさ先生でないと病気を治してもらえないと信じていたので、顔を合わせるたび辞めないでと切願。

みさちゃんは都内の高校に通うキラキラ女子高校生。楽しい高校の話を聞くたび、どこか避けていたコレカラノコトに焦りの気持ちが湧き起こります。

車椅子や点滴棒など置いてある器材室で少し先に見える高校のグランドを眺めていると、まさ先生が何か察したのか外泊に。

自宅に戻ると入院前と変わらぬ自室に更に強い焦燥感に駆られ、意味のないトランプ占いで気を紛らわせようとしてもこのグッズ欲しさのために買いに行った時のドーナッツ屋の路地の匂い、そのころは健康だったことを回想し、誰1人これまでの自分を知らない所でやり直ししたいと思い始めます。

時には誰とも心を通わせず半ば空想のような考えを巡らせる時間が生きる上で必要でした。

先日まさ先生から電話がありました。当時のことはよく覚えていないけれど、

「教授なんてクソくらえ」と言ったかも、それはあり得る。と確認取れました!たけ先生は開業医となり評判の良い医師になられたそうです。

※まさ先生は「脳の中のシュークリーム」のセイウチ先生になります。