第48話 私の17歳

真夜中の17歳
セブンティーン
17歳の地図
我17歳にして
私の17歳
ふりかえってみて


骨髄移植5日目、17歳の誕生日を迎えました。

大大大好きな尾崎豊が誕生日祝いに歌いに来てくれないかなぁ~懸命に生きている私を応援してくれるはずに違いない、そして元気になったらコンサートに招待されてそれからも交流が続き、いつの間にか日の暮れかけたアパートに佇む2人、、、

妄想から覚めるとそこは暗いクリーンルーム。

お尻の痛みはピークに達し、手足に力が入らず、小さくて可愛いパンツはいらないから、スーパーの肌着売り場で売っているようなパンツを注文。おばあちゃんが履いているようなパンツが欲しいと聞いた母はきっと哀れな娘と思ったことでしょう。

第47話 ドナーの反撃

ぴーぴー
自分でやってるよ
なかなか
例えば
ドナーの反撃
ふりかえってみて

壁ではなくビニール素材でベッドサイド側は覆われていて、ベッドの足元側から看護師が待機している向こう側にゴミ袋を投げ捨てる。

「連絡ノート」に連日「ゴミ袋が不足しています」「今30枚しかありません」「パンツが足りません」と親宛に書かれていました。(ノートは面会場所にあるので自分は見ることはできません)

排泄後は、まる先生のような「正しい手洗い」をしなければならなかったけれど、早くおやつを食べたい幼児が手洗いしたフリのような水で手を濡らす程度の手洗い、ふらふらと爛(ただ)れたお尻を庇いながら寝る。それが1日の行動。

「前から後ろに向けて拭く」このようなことも教わりました。

第46話 連絡ノート

7月15日
ゼロ
クリーン
スタート
連絡ノート
ふりかえってみて

移植自体は輸血を受けた感じで終わりました。

異母、複雑な出生の秘密など当時のドラマではよくありましたがそのシリーズの1つ、放送中の「アリエスの乙女たち」(里中満智子さん原作)でも見ようかなと思っていた所、胸の痛みと呼吸の苦しさで酸素吸入。吸入中、頭の中で「アリエス〜」と主題歌がループする。

記念すべき移植当日はどう入室したのか、どんな気持ちで挑んだのかより「アリエスの乙女たち」の放送日だったという印象が1番に残ってしまいました。

こちらが連絡ノートです。

第45話 今より大事なのは

全部?
222ないよ
223キレイになるって
今より大事なのは
最大の目標
ふりかえってみて

「結果が全てです」

既に前処置で体力、気力も残りわずか。

今、この肉体的な苦しさを少しでもなんとかできないかと願う自分と、先を見据えて考えているまる先生とのぶつかり合いが始まります。

私が勝手にぶつかっているだけですが、、、

病気を克服という目的(ゴール)を超えた「いつの日かギャフンと言わせてやるぞ!打倒!まる先生!」という、医師にとっては何とも理不尽な目標が気持ちを大きく昂(たかぶ)らせ、その闘志を抱え骨髄移植に挑みます。

こぼれ話

「先生、結果が全てって言ったこと覚えていますか?」

「たとえ患者さんや、患者家族から罵倒されても何を言われようが、最後は結果なんだよ。治らなければ駄目なんだ。だからね、その考えは今も変わる事ないよ。」数年前、まる先生との会話のです。