第28話 占っても占っても

すがっても
ふと
器材室にて
占っても占っても
遠くへ
ふりかえってみて

来年開業のため大学病院を退職すると聞き、当時はまさ先生でないと病気を治してもらえないと信じていたので、顔を合わせるたび辞めないでと切願。

みさちゃんは都内の高校に通うキラキラ女子高校生。楽しい高校の話を聞くたび、どこか避けていたコレカラノコトに焦りの気持ちが湧き起こります。

車椅子や点滴棒など置いてある器材室で少し先に見える高校のグランドを眺めていると、まさ先生が何か察したのか外泊に。

自宅に戻ると入院前と変わらぬ自室に更に強い焦燥感に駆られ、意味のないトランプ占いで気を紛らわせようとしてもこのグッズ欲しさのために買いに行った時のドーナッツ屋の路地の匂い、そのころは健康だったことを回想し、誰1人これまでの自分を知らない所でやり直ししたいと思い始めます。

時には誰とも心を通わせず半ば空想のような考えを巡らせる時間が生きる上で必要でした。

先日まさ先生から電話がありました。当時のことはよく覚えていないけれど、

「教授なんてクソくらえ」と言ったかも、それはあり得る。と確認取れました!たけ先生は開業医となり評判の良い医師になられたそうです。

※まさ先生は「脳の中のシュークリーム」のセイウチ先生になります。

第27話 午後のひととき

カッコよすぎ
毎日かっこいい
副作用で
中止
病院やめるって
ふりかえってみて

放射線技師のしまさん、ある映画のスクリーンから出てきたと思うくらいこんなカッコいい人が、日も当たらない地下の放射線科にいるなんてお宝発見!

名も知らぬ他校の気になる男子学生と毎朝同じバスで会いチラチラ見るそんなトキメキに似ています。

そんな午後の至福の放射線治療は長く続かず、副作用による吐き気などで治療が中止。カリウム不足で立つこともできなくなり、こんな自分は高校へ復学も難しいなのでこの大学病院で働かせてほしい回診中教授に就職相談。

無知ゆえ結構本気でした。

回診後、まさ先生は教授に対して辛辣な言葉に加え「大学病院やめるから」の言葉に激しく動揺、「まさ先生、大学病院やめてどうするの~?」

第26話 予言より怖い現実

予言より怖い現実
産科と間違うなよ
法一っぽい
カッコよすぎ
ふりかえってみて

ノストラダムスの大予言とは1980年代に話題になった、核戦争、自然災害、公害問題、宇宙人襲来など人類滅亡説。

学校で友人達とキャーキャー騒ぎながら本気で怖がっていた人類滅亡より、月2回、病棟に届けられる請求書の金額の方が恐ろしい。

父に「お金大丈夫?」と聞くと「心配いらない」もう2度と言うなという空気。所詮子どもという立場、両親が家の売却まで考えていることは気付きません。

母の腹部にあるベーコンの脂身の部分のようなテカテカした筋、幼少の頃、痛くないのと聞いたら、お腹が大きくなるとできると教えてくれた、その同じモノが16歳でできてしまったことに大ショック!

まさ先生に産科行くなよとからかわれながら放射線科へ。全身照射のため身体のあちらこちらに赤いバッテン印を付けられた姿にお経を書かれた耳なし芳一みたいとひとり笑い。甘いマスクのかっこいい技師さんに一瞬でときめき、心を高鳴らせながら放射線治療が始まります。

第25話 ヒカルアタマカイ

ヒカルアタマカイ
あれっ?
違い
プレゼントの代わりに
しぃちゃん
ふりかえってみて

家でお正月を過ごし病院へ戻ると、しいちゃんとひとくんがおしゃべり中。

しいちゃんは将来は公用語が英語の国で暮らす目標を持ち、中学卒業後カナダに留学、糖尿病を発症して帰国。ひとくんはいわゆる非行少年、今まで家族に迷惑かけたので、病気が治ったら母親の八百屋を手伝うと話していました。

同じ年というだけで、他に共通するものがない2人。

ひとくんの思いは届かず、、、

そぉっとお姉さんに伝え終わった時、病気と違った気苦労を感じずにはいられませんでした。

しいちゃんとは10年以上文通を続け、最後の方はエアメール用のレターセットで文通となりました。

しいちゃんがくれた「ノストラダムスの大予言」の本。入院してからというもの、滅亡説の予言より怖いことが月に2度必ず起こっていましたが口に出すことができません。


それは次回に