日日是好日

オリジナルリハビリ
第212最終話

オリジナルのリハビリを編み出して、気が向いたらやってます。

日常生活の中で、できることを無理なく。

散歩をするときは、

りょうこ
りょうこ

看板ををみて、声を出しながら、歩く

りょうこ
りょうこ

エスカレーターで、先を意識してみて、つかまらない

家の中では、

りょうこ
りょうこ

ソファに背中をつけず、足をあげながら、イラストを描く

りょうこ
りょうこ

エクササイズで足でバランスをとり、手を前でクロスし、上半身を左右に動かす

これを地味に続けていたら、改善されてきたような、、前よりできている感覚。

りょうこ
りょうこ

まだ限界じゃなかったかも!

りょうこ
りょうこ

日日是好日。毎日毎日が素晴らしい

わたしも「日日是好日」の小説読みました!

もろみさん
もろみさん
りょうこ
りょうこ

おしまい、おしまい

最終話

2020年2月脳腫瘍(髄膜腫)と 診断されてから1年間。

初めての脳外科体験、その後のリハビリ生活を綴りました。

主観的な表現のため分かりづらい内容が多々ある中で、最後まで読んでいただきありがとうございました。

 少し充電して新連載を開始予定です。

ブログ上ではありますが、また皆様とお目にかかれる日を楽しみに企画を進めてまいりますので、これからもよろしくお願いします。

羽賀涼子
2021年2月28日

平衡機能検査

平衡機能検査

ぱんだ先生の検診。

りょうこ
りょうこ

できることがはっきりしてきたおかげで、まだ難しいところに気がつきました

歩けるけど、ぐらつく。聞こえるけど、音がこもるんです

これは耳鼻科だね

ぱんだ先生
ぱんだ先生

手術をした小脳がバランスをとる場所なので、耳鼻科で診てもらうことに。

同じ病院の耳鼻科で診察を受けて、平衡機能検査をしましょうということになりました。

平衡機能検査とは?
めまいがどんな原因で、からだのどこの部位(内耳、脳、その他)の病気で起こるのか、また現在の病気がどの程度の重症度かを調べるたあめに行うものです。

まっすぐ向いて立ってください

検査技師さん
検査技師さん
りょうこ
りょうこ

ぐらり

暗い検査室で、回る光を追う。顔を動かさないで目だけで流れていく光を追う。

がんばって光を目で追ってください

検査技師さん
検査技師さん
りょうこ
りょうこ

見られません

冷たい風を耳の中に吹き入れ、わざと目まいを起こさせたり。

顔に布をひき細い管から耳にシューっと風が入ると、頭がグラングランする!

目をあけてあけて

検査技師さん
検査技師さん
りょうこ
りょうこ

目がまわる間に目をあける!

混沌とした非日常の密室は江戸川乱歩の世界観と似ているような。

ライトな拷問、、、

平衡感覚については、苦手なものは修正するという感覚で慣れていきましょう

先生
先生

(これがリハビリの限界なのか、それともまだもう少しよくなるのか、、、)

りょうこ
りょうこ

できることと、苦手なこと

日々がすぎていく
Every day goes by

これもできてきた。あれもできてきた。けど、、

りょうこ
りょうこ

歩けるけど、、

ストールで足元が見えないと、グラっとフラつく。障害物があるとよけられない。

電車の中で音楽を聞いている時は、早めに曲を止めてヘッドフォンをしまう。

スマホにSNSがきたときは、しっかり立ち止まってから画面を見る。

りょうこ
りょうこ

あー、いー、うー、えー、おー、声はでるけど

以前の声に戻ったとは思えない。

耳から聞こえる声がこもっているから、以前と違う声に感じるのか。

りょうこ
りょうこ

聞こえるけど

音がこもる。

気圧の変化で耳の奥に違和感がある状況に似ている。

耳抜きしてみて

ぱんだ先生
ぱんだ先生
りょうこ
りょうこ

やってみたんですが、効果がなくて

ぱんだ先生に言われてやっていましたが、抜ける感じがありませんでした。

りょうこ
りょうこ

できることだけでなく苦手なことがわかる、自分自身がわかるということは、大事なことでした

4~5ヶ月後

4~5ヶ月後

手術後、初の美容院。

りょうこ
りょうこ

左側手術をしたのでここだけ髪の毛がないです

左右のバランス直しましょう

耳に水が溜まっているような感覚が治らないため、自分の声がいまいちわからない。

ようやく声が戻りましたね!

りおさん
りおさん

今まで声は戻ってなかったのか、、さすが言語聴覚士

りょうこ
りょうこ

いまも声が戻っているのか、自分ではわからない

息子Aがレンタルサイクルで乗ってきました。スマホで借りられる自転車シェアリングというらしくポートマップに載っている好きな場所に返却できるとのこと。「ちょっと乗ってみたい!」とまたがるもグラグラしてしまい、こぐのは諦めました。

「歩く」時は足元と足裏の感覚しか集中できず、話ながら歩いているの集中は「会話3割」「歩くこと7割」という割合。

○○をしながら歩くのが難しくて、歩きスマホどころか音楽を聴きながら歩くこともできない今の自分にはUber eatsの配達員さんや、やってはいけないけれど自転車乗りながらスマホ操作している人たちはサーカス並みのバランスの持ち主かと思うくらい、特別な技に思えて仕方ありませんでした。

しりとりをしながら歩いている親子の声に、心の中でしりとりに混ざってみたり。

りんご

ごま

りょうこ
りょうこ

(マスク)

「歩きながらしりとりをしてみよう」と独自のリハビリを編み出し、ひとりしりとりを呟きながらがむしゃらに歩く秋。

歩行に違和感がありながらも、

歩く

歩く

歩く

歩く

3ヶ月後

3ヶ月後

真夏は水筒を持って夜のお散歩。

りょうこ
りょうこ

なるべく前を向いて!

髪を染めるのは退院後2ケ月との事だったので染めてみたけれど、あまり外に出る事がないのと出る時は帽子を被るので大して意味がなく、、

りょうこ
りょうこ

染めなくてもよかったかな?

生活に支障はない程度に手術で切った両端?がジリジリするのがなかなか治らず。

りょうこ
りょうこ

いまもジリジリします

息子Bから体調管理というより運動量が減ったので、現実を知れよという意味で体重計が送られてきました。

りょうこ
りょうこ

太った?

息子Aが様子を見にきてくれました。

調子どう?

息子A
息子A

じゃ、帰るね

りょうこ
りょうこ

え!もう帰るの!?

年に1度の血液内科の外来。骨髄移植を受けた月に外来ですが、先月寝坊してしまい翌月に変更。やぎ先生が20年以上主治医だったため、33年も通院していても2人目の主治医。穏やかで優しい主治医です。

りょうこ
りょうこ

先生、おかげ様でこんなに回復しました!

それと先月骨髄移植受けて33年になりました!

どちらもすごいね!

先生
先生

2ヶ月後

2ヶ月後

らいおん先生にラインで近状報告。

生活は大丈夫なの?

らいおん先生
らいおん先生
りょうこ
りょうこ

順調に回復してます

ありがたい事にいつでも気にかけてくれています。

病院で習ったリハビリは継続中。

りょうこ
りょうこ

あー!♪ あー!♪ 

仕事の打ち合わせはzoom。

コロナもあるし、zoomで打ち合わせですね!

もろみさん
もろみさん
りょうこ
りょうこ

時代の波に乗れました

杖を使わず歩けるようになるけれど、足元しか見ることができないため不安定な感じです。

りょうこ
りょうこ

ひと駅 往復できました!

食事は、一人暮らしになったらUber Eatsから卒業して、精進料理のようなご飯になりました。

ぬか漬けつけました

気をつけてはいましたがクッションに運動していたらひっくり返り、そのまま戻れなくなってしまい、腰からグギッと音が、、床に伏して半日寝ていました。

(人をダメにするクッション)座らない方がいいです

理学療法士
理学療法士

PTさんの言葉を思い出しました。

これはギックリになった時に、私に送られてきたイラストですね

もろみさん
もろみさん
りょうこ
りょうこ

マジでギックリ5秒前

1ヶ月後 後半

1ヶ月後 後半

1ヶ月検診で、ぱんだ先生に。

りょうこ
りょうこ

左耳が聞こえるようになりました!

よかったねぇ〜

ぱんだ先生
ぱんだ先生
りょうこ
りょうこ

かなり回復しました!電車に乗ってあれこれ発見がありました

まだ危ないから鞄にヘルプマークはつけた方がいいよ

ぱんだ先生
ぱんだ先生

次の検診は3ヶ月後。

ヘルプマーク、持っているけれど自分にとっては不必要な主張で、堂々と付けることに多少の気後れ、、

りょうこ
りょうこ

ある日スーパーの階段を使い上り下りのリハビリ中、おばあさんが途中で振り返って、

あら、リハビリしているの。私も足骨折した時リハビリ大変だったから分かるわ〜 頑張んなさい

周りから見ればリハビリって分かるレベル?!

りょうこ
りょうこ

「周囲との動きとは少し違いモタモタでしか歩けません」そういった意味でヘルプマークを付けることにしました。

初出勤はタクシー。

りょうこ
りょうこ

久しぶりの職場!

事務所の大家さんに退院したことを伝えました。

息子Aが出て、ひとり暮らしを再開。お米などはネットスーパーを利用して自炊生活。

筋トレは、プランクがおすすめ!

いまよ
いまよ
りょうこ
りょうこ

2秒しか続かない

今もプランクを続けてます。

ステッカー

助け合いのしるし、ヘルプマーク
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/helpmarkforcompany/index.html

1ヶ月検診で電車チャレンジ

1ヶ月検診で電車チャレンジ

エスカレーターが怖くてまだ乗れないので、リハビリ兼ねて階段を利用。

りょうこ
りょうこ

ホームに立った時、足がふわふわする

体の感覚は以前と全然違うので、ホームでは前の方に立たないでください。筋力が戻るのは退院後3ヶ月はかかります

理学療法士
理学療法士

PTさんのアドバイスを身を持って実感。

りょうこ
りょうこ

ホームと電車の間がこわい

ホームと車両の隙間がよく分からず、電車に乗る時は、車内に手を伸ばして手すりにつかまって、足を入れないと乗ることができませんでした。ドア側に乗客がいると乗ることができず、、

荷物棚とつながっている手すりは、”スタンションポール” というそうです

もろみさん
もろみさん

電車から降りる時は杖を先に出して、スタンションポールにつかまりながら出ます。

りょうこ
りょうこ

階段下りは特に難しい!

地下鉄の風も、体が持っていかれそうになって怖い

下車した乗客の波からは遠く残されて、改札に着く頃は誰もいない、、

という状況は、この先も続きます。

1ヶ月後

1ヶ月後
退院後のリハビリは続く
りょうこ
りょうこ

見え方の問題で段差の高さがよく分からないので、杖でコンコンと叩いて確認

段差あるよ!

息子A
息子A

マンションの段差も気合を入れて上がり、ゆるい下り坂もとても急に感じて、ドキドキします。

りょうこ
りょうこ

こんなに急だった?

ゆっくり歩きなよ

息子A
息子A

複視で物が2つに見える角度にも慣れてきました。輪ゴムが2つに見えたので、思いつきました!輪ゴムがある場所に豆大福を置いてみて、

りょうこ
りょうこ

豆大福が2つに!

豆大福は2つあったんですか?

もろみさん
もろみさん
りょうこ
りょうこ

1個です

息子との電話中、

りょうこ
りょうこ

あれ?左手でスマホ持っているという事は、左耳で聴いている??

知らん!

息子B
息子B

息子からは見えていないので、当たり前の返事が。
気が付いたら左耳の聴力が戻っていました。
手術前から左耳の聴力は良くなくて、その程度に戻った感じです。

りょうこ
りょうこ

もっと聞こえるようになれば良かったのに

せっかく聴力が戻ったのに、お得感があまりないと少し欲張りな気持ちに。

退院〜半月

退院〜半月
息子A大活躍

四つん這いで5日間かかって部屋の掃除。これがとても良いリハビリに。

この布団あまりにも薄くて全く身体が休ならない、そうだ!半分に折り畳んでみよう!

息子A
息子A
りょうこ
りょうこ

パンダ先生が言うとおり、薄すぎたかなぁ

畳んで寝てみたところ、幅と引き換えに若干の厚みが!その敷布団が誤嚥の時に出された魚の練り物になぜか似ていました。

入院時の食事の魚の練り物
りょうこ
りょうこ

座椅子につかまれば、立てる!

必要のないと思われていた座椅子が、立つために役立ちました。座ると背もたれが長くて座るとゴロンとひっくり返るので、今現在は存在感はあるが使っておらず。

りょうこ
りょうこ

ゲホゲホ

肋骨折れてんじゃね

息子A
息子A

息子に見守られながら散歩をする毎日。4本足の杖が重く、1本足の杖に替えて毎日違う道を歩きました。散歩はなんだかんだ歩くと2、30分ほど。

もう10分歩いたよー。ジュース飲む?

息子A
息子A
りょうこ
りょうこ

大丈夫ー

お茶やコーヒーなどは自分で淹れ、食事はUber Eatsで宅配。

退院2日目にいれたラテ
りょうこ
りょうこ

美味しい、、、(しみじみ)

ゴミ屋敷

デーン

家に帰ると、ゴミ屋敷!

りょうこ
りょうこ

(絶句、、、)

来週退院だと思ったから、片付けが間に合わなかった

息子A
息子A
りょうこ
りょうこ

床は見えず足の幅踏み場もなく、ぼう然と立ち立ち尽くす、、

花は3週間の入院なので持つかと思っていたのですが、倍以上の入院期間で枯れていました。

入院時の殺風景な部屋

 退院した時気持ちよく帰ってこられるように、反対に万が一病院から戻ることがなければ片付けが簡単に済むように、部屋を整えて入院。

入院中に、息子Aから

2つ付けるとソファーになる座椅子を購入したい

息子A
息子A
りょうこ
りょうこ

机も椅子もないし、リモートワークできなないなら、1つならいいよ

実物を見て、今後の自分の暮らしには明らかに不必要な大きな座椅子が部屋を圧迫。

りょうこ
りょうこ

本来無人であるところに、息子が行き来して部屋を行き来してくれていたことは感謝

りょうこ
りょうこ

まずは食事をしようか

息子がUber Eatsを頼んでくれて、床の見えない部屋でピザをいただきました。

散らかっていても、我が家に戻ってほっと一息。

外の世界へ

外の世界へ
 病院からの道すがら

タクシー乗り場にいつもはいるタクシーがおらず、、

りょうこ
りょうこ

大通りまで歩こう

すぐそこの大通りに歩くまで、病院の中と外の世界の違いを実感しました。
足の裏の感覚と、風に体が持っていかれる感覚。

大丈夫かよ

息子A
息子A

息子に掴まりながら歩いて、無事大通りに辿り着き、ひと休み。

途中後ろから落とし物ですよーと声をかけられましたが、振り返ることができませんでした。

落とし物はウチのじゃないですよー。ありがとうございました

息子A
息子A

スマホでタクシーをよんで、帰りました。

さよならのあいさつ

さよならのあいさつ
200話

迎えの息子Aがコロナウィルスに配慮して念のため病院の出口の外で待っているので、荷物を自分で運ぼうとしていたら、、

退院の患者さんに挨拶したら、僕が運ぶよ

こぐま先生
こぐま先生
りょうこ
りょうこ

大丈夫です!患者さんのところに行ってあげて下さい!(最後まで優しい、、、)

ありがとうございました

こぐま先生とお別れし、看護師さんに荷物を運んでもらい一緒に外まで出ました。

この看護師さんは殆ど夜にしか会わず、入院中は頭部を保冷枕でで冷やしていて、暗い中黙っていつも保冷枕を2つ持ってきてくれる、そんな気がきく看護師さん。

りょうこ
りょうこ

日中会うのは珍しいですね

そうなんですよね

看護師さん
看護師さん
りょうこ
りょうこ

今までお世話になりました。皆さんによろしくお伝えください。

関わって下さった医療者代表で看護師さんにお礼を伝えました。

外へ出るとタクシー乗り場の前で息子Aが立っていました。


羽賀涼子

「脳の中のシュークリーム」退院で200話となりました。

毎日の日課として読んでくださる方、医療者からのご意見にこんな感じ方があるのかと学び、執刀医であるぱんだ先生の快諾とそんな皆様の「読んでるよ〜」の言葉に励まされ、
1度も休載することなく描き続けてこられた事を心よりお礼申し上げます。

ここでおしまいと考えていたのですが、日常の中でのリハビリ生活などもう少し連載を続けますのでお付きあい下さい。

その後は新たな連載が始まる予定です。

もう外の世界に返してあげたい

もう外の世界に返してあげたい
廊下にて

入院ながくなっちゃったね

ぱんだ先生
ぱんだ先生

ハガさんみたいに前向きな患者で助かりました

りょうこ
りょうこ

前向きではないです

りょうこ
りょうこ

ICUでは楽になるからと気管切開してくれるのを断って、空からお迎えが来てくれるのを待っていました。

りょうこ
りょうこ

手術残業させてしまったし

りょうこ
りょうこ

先生の頑張りに対して必ず結果をだすと約束したのでそれを果たしただけです!

ベットじゃないの?

ベットじゃないの?
個室にて

こぐま先生のあとにパンダ先生がこられて、退院後の話をしました。

ベットから起き上がるとき、うんたらかんたら、、

ぱんだ先生
ぱんだ先生
りょうこ
りょうこ

ベットじゃないです。布団です

えっ!ベットじゃないの?

ぱんだ先生
ぱんだ先生
りょうこ
りょうこ

背骨が床に伝わるぐらいのペラッペラな布団です

もう少ししたらベッドが必要になる年齢になるから、早めの投資だと思ってベット買おう

ぱんだ先生
ぱんだ先生
りょうこ
りょうこ

たぶん買わないですね、、

考えようによっては、布団の方がリハビリになるか、、

ぱんだ先生
ぱんだ先生

複視と咳こみは治るから、様子を見てください

ぱんだ先生
ぱんだ先生

外来は1ヶ月後です。腫瘍が取りきれてないので、半年に1回MRIを検査をして、腫瘍が大きくなるようだったら放射線治療になります

ぱんだ先生
ぱんだ先生
りょうこ
りょうこ

承知しました

説明が終わり廊下に出て、、

りょうこ
りょうこ

あ、ぱんだ先生 握手!

りょうこ
りょうこ

すごーい!手術した手だ!