モモと時間泥棒

うつらうつらしていたらOh Oh Ohと頭の中で声が聴こえる。
Nakamura Emi 「YAMABIKO」の最後のメロディーだけがループしている。 歌詞は全く思い出せない。ずーっとOh Oh Oh。

Nakamura Emiは友達とも友人ともカテゴリーがない関係。 それに合わせて「昔、変な園児がいてお母さんに本を読んでもらって」とごちゃご ちゃな歌が流れてきた。「いつかお母さんになれたら」の歌詞間違えた版。 寝る前にお母ちゃんが優しい声で絵本を読み子どもは色々な世界に思いを馳せなが ら眠りにつく。という歌の出だし。 嘘だ。自分の時間が欲しくて早く寝かしつけたくて、早口で読んでおしまいにし た。

これ読んでとミシャエル エンデの「モモ」を持ってきた時は難しいからと 言ってもこれがいいと。読み進めていくと子どもなりに見たこともない円形劇場など想像していることが分かる。それでもさっさと読んでまた明日。時間泥棒に時間 を取られているのは自分だと自責の念に駆られながら、キッチンでひとりコーヒー を飲んでごまかしていた。

急ぎ過ぎた子育てだった。もう少しゆっくり絵本読み、もう少し長く子どもと向き合い、もう少し余裕も持つことが出来たらと今回入院して初め泣いた。 そして今は管だらけで息子が買って持って来たパジャマを着ている。 いつまで経っても無様で不甲斐ない母親でいる。