誤嚥

呼吸が苦しいのは誤嚥。誤嚥、誤嚥性肺炎とは高齢者がなるものだけかと思ってい た。唾液が喉を流れる度に咳き込む。 骨髄移植を受け無菌室で過ごしいる時、口内炎が酷くて痛みで唾液を飲事ができ ず、ティッシュを口の中に詰めて唾液が流れないようにした。同じことをした。 ティッシュは息子が用意してくれた物で、ふわっとは柔らかくて質が良い。口に詰 め込むのであればこんなに質の良いティッシュはもったいないなぁとこんな状況で もそんな事を思う。

「気管切開しよう。呼吸が楽になるから」とパンダ先生の声。 また手術?喉を切り、そこから管が伸びる自分の姿を想像し、 切開するくらいになら今のままでいい。首を横に振った。 咳でむせて体がままならない。横向くと何かの管に引っ張られる。 少し身体を起こし「誰か助けて」とつぶやき程度の言葉が出た。気管切開を断り、 このままでいいと決めた自分に助けてくれる「誰か」なんていないと分かっている。